CHILDREN EDUC BENIN の存続方法と調理師免許を取りたい

 9月27日(日)、朝からクラリスは忙しい。お昼頃に帰ってきて、美味しい豚肉料理をランチとして持って帰ってくれた。その後、私たちは自分たちの今後の活動について話し合った。クラリスはすごい。よくこんなに次から次にアイディアが思い浮かぶよな、と思う。

 まだ全く何も決まっていないことだが、本当に色々やりたいことが出来てきた。私たちの一番の課題は、どうやって継続的に子どもたちの教育支援をしていくかである。これが決まらないと、私たちの活動は1回限りで終わってしまう。色々とアイディアを出し合って、何としてでも CHILDREN EDUC BENIN を存続させねばならない。今日はとりあえず案を出し合うだけに留まったが、実現に向けて出来ることはもう始めていきたい。
 そう言えば、私は日本に帰ってからも実現したいことが出来たのだ。それは、調理師免許を取ることだ。3月に日本に帰ってから、自粛期間などで取ろうとも考えたが、色々とあって出来なかった。しかし、次に日本に帰ったら結構本格的に考えようと思う。これは、CHILDREN EDUC BENIN とは直接的な関係は無いが、間接的には関わるかもしれない。
 3月からのコロナ禍で、日本で暮らす貧困家庭のことが気になり始めた。ニュースなどで、仕事が無くなった親が子どもにご飯を食べさせてあげられなかったり、給食が無くて困っている家庭があったと聞いた。日本にも、確実に貧困は存在する。
 一方で、私の家では何ら食べ物には困らなかった。私が帰ってきたことで肉の消費が増えたから食費が倍になったと母はぶつくさと言っていたが、それでも衣食住も全て保証され、食べることを我慢しなくてはならなかったことなんてなかった。しかし私がそんな贅沢をしているときに、今日食べるものをどうするかを考えなくてはいけない家庭があったのだ。
 安易な考えではあるが、自分が作ったものを提供出来ればな、と考えたのだ。しかし、それをするには衛生面やら何やら、色々とクリアしなければならない。だから、正々堂々と何の法律にも引っかかることなく、食べ物に困っている家庭に食を提供できたらいいなと思ったのだ。
 また、いつか日本の子どもとベナンの子どもを何らかの形で繋いで交流させたいなと考えていた。クラリスにも、日本にも貧困があることを知ってもらいたい。例えば、クラリスベナンで使う調味料や飛行機に持ち込める食材を買ってきてもらって、ベナン料理を子どもたちと一緒に作るなんてことが出来たら、良い経験になるだろうなと思ったのだ。
 なんて、それは私が貧困を知らないから考えつく、エゴみたいなものなのだろうか。しかし、クラウドファンディングでたくさんの人にベナンの子どもたちへの支援をしてもらったから、今度は私自身の力で日本の子どもたちを支援したいと思ったのだ。ベナンの子どもたちにしても、日本の子どもたちにしても、「支援」というか、子どもたちが survive していくことを支援したいのだ。最終的には、しっかり自分の足で立たせなければならない。
 私の勝手な理論ではあるが、食育は全ての勉強の根幹を成すと思っている。まずは、きちんと栄養を摂取しなければ、勉強どころではない。さらに、食べているだけでなくて、自分が食べているものがどんなものであるのか、何を摂取しなければならないのかを知ることで、自分で料理をして、自分で栄養を摂取することが出来る。それが出来れば、限られたお金の中でも、何を優先して食べなくてはいけないのかが分かるようになり、健康を保つことに繋がるのでは、と思っている。
 私の家の近所で、とても美味しい料理を出すお店がある。ジャンルとしては完全に和食であるが、女将さんの食材の使い方が徹底していて、本当に尊敬しているのだ。全くもって無駄が無い。ナメロウを頼んだら、身を取り終えた後、魚の頭から骨を含めて尻尾までをカリッカリに揚げて、それすらも食べられるようにしてくれるのだ。とにかく食べられるものは全て食べる。しかも、食材の良さを熟知しているから、いかに美味しく食べられるかを知っている。食べ物が美味しいと思うこと、そして美味しく食べるということは、人間の三大欲求の1つだ。そういう意味でも、子どもたちに食育が出来たらなと思うのだ。
 問題は、私の腕だ。料理は大好きだから、熱意はあると思うのだが、別に料理教室に通っていたことなどない。果たしてこの熱意だけで、私のこの夢は叶えられるのだろうか。