クラリスとのミーティングと再び学校へ

 11月3日(火)、帰国から1週間経った。時差ボケもあり、何の生産性もない生活を送っていた。今日は、早朝からクラリスとビデオ電話でミーティングをする。時差が8時間あるため、またクラリスは働き者なので、クラリスの生活に合わせたところ、日本時間の朝5時に始めることになったのだ。ベナンでは、前日の夜9時である。

 1週間しか離れていないのに、何だかもう懐かしい。私は、クラリスの声が好きで、この声を聞くと妙に落ち着く。声フェチなのかもしれない。
 今日の議題は、今後の我々の活動についてである。CHILDREN EDUC を存続させるために、何から始めていこうか。
 まずは、資金源をどうするかである。自分たちでお金を生み出すために、私たちに一体何が出来るか。まあ、言わずもがな、地道に働いてお金を貯めるしかない。
 当面の活動はどうしようか、という話になったときに、クラリスがクリスマスに子どもたちのサンタになるのはどうかと言った。私たちがクラウドファンディングプロジェクトで支援した Cove という村で、だ。何と素晴らしい。それは良い考えである。ついでに、その子どもたちがちゃんと学校に通っているかを確認してくるという。クラリスは、本当にしっかりしている。外国人同士でありながら、こういう「しっかり」の感覚が合っているのは奇跡的だと思う。果たしてクラリスも私が「しっかり」していると思っているかは謎であるが。
 そして、今はただ我々が勝手に CHILDREN EDUC を名乗っているだけだが、きちんと NGO 化することも大事な目標である。クラリス曰く、先日のプロジェクトでは、ベナン国内からもたくさん支援の声がかかったのだが、やはり組織化していないことで残念ながら支援に結びつかなかったことがあったそうだ。確かに、信用を得るためには組織化することが必須である。
 帰国してまだ1週間だというのに、次々とやることが決まっていく。せわしないと思う反面、やはりこういう生活は好きだなと思う。忙しくしている方が色々とアイディアも浮かぶし、充実している。ありがたいことに、来週からはまた学校に勤めることが決まっている。4月から1学期だけ勤めた学校だ。事情があり、また先生が足りなくなってしまうのだそうだ。私がベナンにいる間にその旨を聞き、ちょうど私が帰る予定と先生が必要になるタイミングが合っていたため、即決であった。教員免許を持っていて良かったと心から思う。食いっぱぐれる心配がなく、間髪入れずに勤めることが出来る。コロナ禍においても、だ。
 帰国した際に、成田での PCR 検査対象とはならなかったため、昨日また鼻をグリグリされてきた。一体、何度私はこの辱めを受けているのだろう。学校に勤めるにあたって、自らが安心するためにも受けた方がいいと思ったのだが、鼻グリグリは気持ちいいものではない。
 1学期だけとはいえ、以前勤めた学校に出戻るというのも、初めてのことだ。生徒は、私のことを覚えているのだろうか。1学期は、分散登校やら40分授業やらで、授業もそんなに進まなかったし、生徒との関わりも薄かった。今は、通常登校に戻っているそうだ。そうだった、日本の学校はクソ忙しいのだった。ベナンでゆるく生きていると、日本の分刻みの生活に戻すのが大変である。生徒が私のことを覚えているかどうかより、私が果たして日本の学校生活に適応出来るかどうかを心配した方が良さそうだ。