新着情報とお抱え運転手と私は天体望遠鏡

読者の皆様
 
 
 連日のお知らせで恐縮ではございますが、10月25日(金)より、私とクラリスの共同プロジェクトとしてクラウドファンディングを始めております。
 経済的な理由で学校に通うことが出来ない子どもたちを支援しようと思っています。ご支援、ご協力を何卒よろしくお願いいたします。リンクを貼りますので、ぜひお読みください。また、以下のサイト内の「新着情報」というところを更新しておりますので、ご興味があればどうぞそちらも合わせて読んでいただけますと幸いです。
 
 
ネットでのご支援にご不安やご心配な点がある方は、代理でのご支援も可能でございます。以下のアドレスが迷惑メールに振り分けられないように設定をして頂いた上で、一度私に直接ご連絡を頂ければと思います。
 
maki.kurashina.moominvalley【アットマーク】gmail.com
 
 また、10月30日(火)日本時間午前5時40分の時点で、何と25人の方(*銀行振込の方を含め)にご支援頂きました。そして支援金額は28万円にもなりました!!皆様、本当に本当にありがとうございました。
 私のことをよく知ってくださっている方には、長く付き合いを続けてくださり、どんなときでも味方でいてくださり、今になって本当に自分は人に恵まれていることをしみじみと感じ、感謝しております。また、Blog や Readyfor サイトで知ってくださったのでしょうか、初めて私を知ってくださった方からのご支援にも感動しております。出来ることならば、皆様と直接お会いして手をブンブンと振り回しながら握手をしてお礼を申し上げたいと思っているくらいです。お顔が直接見えないからこそ、使える媒体は全て使ってベナンの様子をお届けしたいと思っております。
   
  皆様、どうぞ引き続き、ご支援、ご協力をお願いいたします。
台風や大雨などで被害にあわれている方もいらっしゃる中でのお願いとなり、心苦しさも感じております。また、学校関係にお勤めの方は、文化祭などの行事シーズンと重なりました。色々とタイミングが悪く、申し訳ありません。
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 10月29日(火)、晴れている。昨日は大変だった。雷こそ鳴っていないものの、朝から大雨であった。研修に向かうために外に出ると、クラリスが少し待つとおさまるかもしれないから、遅れる旨を伝えて部屋で待機しようと行った。まだ研修の身であるし、待っている相手がよく見知った人ならば、雨が降っているときには連絡さえすれば遅れることは失礼にはあたらないらしい。
 少しおさまりはしたが、やはりまだ降っている。しかし、これ以上待ってもキリが無さそうなので、出ることにした。バイクタクシーに乗るので、当然傘は指さない。というか、ベナン人は総じて傘は指さない。レインコートが主流である。私も日本から傘の類は持ってきていない。
 またクラリスにバイクタクシーをつかまえてもらい、行き先と値段の交渉をしてもらった。現地語でドライバーと交渉し終わると、クラリスが私にこう言った。
 
 "He will come to pick you up each day."
 
なんと、そんな交渉までしてくれていたのか。つまり、毎朝バイクタクシーをつかまえるのも面倒だし、日によっては全くつかまらないときがある。値段も毎回交渉するのも、場所を毎回説明するのも時間がかかる。実に合理的である。
 そして今日、彼は約束の時間通り、家の前まで来てくれていた。少しではあるが、英語も通じる。クラリスは、少し様子を見て、改めてきちんと彼と話をして依頼しようと言っていた。お抱え運転手が出来たようだ。
 無事に仕事場まで送り届けてくれた。今日の研修内容は、簡単に言うとカリキュラムや指導書みたいなものを見ておくことだ。また、学生が読むことになる本も Kindle でひたすら読んでいた。英語の本をこれほど読み漁るのは大学院生ぶりな気がする。また、色々な人と友達になった。12月に私が来たときのことを覚えていてくれて、再会を喜んでくれた。
 休憩中、姉から LINE が入った。姉が私のクラウドファンディングのことを広めてくれたおかげで、姉の友人たちが私の Blog やベナンに興味を持ってくれたそうだ。これは実にありがたく、嬉しいことである。私の Blog から、ベナンの様子を知り、これまで抱いてきた「アフリカ」という概念が変わったり、意外な事実を知ってくださったようだ。
 
「まきちゃん色々ありがとう」
「同じ地球なのに不思議」
「イメージだけで知った気になってたよ」
「まだまだ知らないこともいっぱいあるんだろうなー」
「なんか自分の見て来た世界って小さいんだなって思う」
 
 ここまで言われると、照れる。しかし、自分とてそうだった。教科書やテレビでは、アフリカの負の側面がクローズアップされることが多い。治安の悪さ、病気の蔓延、貧困、きっと大事な問題であるから取り上げられることが多いのだが、どうしても人間は負の側面を見ると、そのイメージをなかなか脱せない。
 だが、どういうわけか自分はその負のイメージを持っていてもなお、『よし、とりあえず行ってみるか。』という気になった。こう育ててくれた両親には感謝しているが、両親からすると、『そんな心配ばっかりかける子に育てたつもりはない。』となるのだろう。とにかく、自分は色々な人の協力と応援があってこそだが、今こうしてベナンにいる。自分の夢のため、という自己満足のために来ているということは前から記しているが、クラウドファンディングも始めて、改めて姉も含めてありとあらゆる人に背中を押してもらっていることを感じて、ふと自分がベナンにいる目的は、自己満足のためだけではあってはいけない気がした。
 本当に私は色々な幸運のおかげでこうしてベナンにいるわけだが、誰もが行けるわけではないことはよく分かっている。人には人の事情があり、色んな理由でアフリカには行きたいけど行けない人だっている。自分だってそうだった。だから5年も勇気が出せなくて夢の実現に踏み出せなかった。しかも、日本で感じるアフリカへのステレオタイプは、間違ってはいない。治安の悪い地域はある。病気だってざらにある。貧困はもはや身近すぎる。良い面も当然あるが、この負の側面があることを知って、『よし、ちょっくら行ってみるか。』とはならない。でも、そこに誰かがいるならば、その人が事実を教えてくれるのならば、本来は知ることが出来ない世界を少しでも知ることが出来るかもしれない。テレビとは違って、何の誇張もない、偽りもない、ただ真実を見せてくれるものがあるのならば、行きたいけど行けない人の夢も叶えられるのではないか。
 肉眼で夜空を見るには限りがある。あの星をもっと近くで見ることが出来たら、月がどんな形をしているのかを見ることが出来たら、土星の輪っかを見ることが出来たら、と人類は夢見てきた。その夢を、天体望遠鏡は叶えてくれた。天体望遠鏡はただ単に夜空の真実を映す。誰にも干渉されていない、嘘偽りのない姿を。
 自分はその天体望遠鏡の役割を担いたいと思った。星の世界を見ることが出来ない人類のために天体望遠鏡があるように、アフリカに行けない人のために私がその人たちの天体望遠鏡となって、真実を映し出す役割を果たしたい。言葉という干渉はあるものの、嘘や誇張は一切ない、淡々と真実を語り、そのあとどう考えるかはその人自身に委ねる。
 自分は幸か不幸かここにいて、しかもたくさんの人に支えられているのだから、もはや『私は自己満足だけで来てますので。』とは言ってはいけない。かと言ってテレビみたいに誇張するのは好きじゃないし、面倒臭いことは嫌いなので出来ることは限られているが。
 ということで、今後も Blog を続けて、ベナンの真実を映し出す天体望遠鏡になろうと思った。