ベナンでお籠り生活(2日目)

 9月9日(水)、お籠り生活2日目である。今日も特にやることはない。朝から雨も降っており、クラリスはこちらに立ち寄ることが出来ないというからつまらない。9時過ぎまでゴロゴロとしていると、ノックが聞こえた。朝ご飯である。

 何だか、監禁ではないけど、軟禁のような生活だ。ご飯が届けられるときしか人に接することがないのは、囚人のようでもある。
 ベッドが広過ぎるので、360度回転してもはみ出ることがない。朝ご飯を食べて、またもや YouTubeフィギュアスケートを見て午前中を過ごした。働いているときは、午前中なんて何とあっという間と思ったが、暇なときはなかなか時が過ぎない。
 それにしても、成田からフランスまでのフライトは快適であった。4列独占出来るなんて、そうそうあるわけではないから、本当にラッキーであった。私は、出発の日と帰りの日をまあまあ自由に決められるから、平日に飛べるというのがおいしい。普通はエチオピア航空かターキッシュエアラインぐらいしか、金額的に手が出せないので、エールフランスに乗ってベナンに行くなんて、これっきりだろうか。
 フランスからベナンに向かう飛行機では、まあまあアフリカ人らしき人が乗っていたが、皆ベナン人だろうか。ベナン人が自力でフランスに向かって、帰ってくるということは、ある程度の富裕層であろう。
 前に聞いたことがある。医学生や何かしらの研修生が、助成金を得て、フランスに留学したり就職したりすることがあるそうだ。フランスは、かつてベナンを統治していた国であるので、同じくフランス語圏だし、政治的な繋がりもあるから助成金も出るのだろう。
 しかし、最初はいつか自分たちの国であるベナンに還元するために、と思ってフランスに行くのに、結局帰って来ない人が多いそうだ。やはり、フランスという先進国の便利さにどっぷり浸かってしまって、言葉の壁もないし、再びベナンに戻って生活しようとは思えないのだろう。そして、帰って来たとしても、すでにフランスでしっかり稼いで富裕層となっているので、ベナン貧困層に目を向けられないのだそうだ。それはとても悲しいことだ。それではいつまで経ってもベナン貧困層は変わらない。
 エールフランスに乗っていたアフリカ人は、ベナンに帰ってきたベナン人なのだろうか。あるいは、ただの一時的な帰国なのだろうか。またフランスに戻るのだろうか。なんて、全く関係がない日本人の私が考えたところでどうしようもないが。
 政府なんて、もっと役に立たないだろう。日本でもそうだが、官僚は国民の現実が見えない。だから、私やクラリスのように民間人がアクションを起こすことに、意味があると思う。民間人にだって支援が出来るということをしっかりアピールしたい。政府の援助は待てないし、するつもりがあるならとっくにしているはずだ。
 来週からいよいよこの軟禁生活も終えて、クラリスとプロジェクト実行に向けて動き出す。そのために、今はしっかり体力を温存しておくべくまた寝ることにしよう。

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今日の昼ご飯。心なしか昨日のと似ている。そして、今日の夜ご飯もこれであった。