新着情報と研修みたいなものと停電

読者の皆様

 
 
 連日のお知らせで恐縮ではございますが、10月25日(金)より、私とクラリスの共同プロジェクトとしてクラウドファンディングを始めております。
 経済的な理由で学校に通うことが出来ない子どもたちを支援しようと思っています。ご支援、ご協力を何卒よろしくお願いいたします。リンクを貼りますので、ぜひお読みください。
 
 
ネットでのご支援にご不安やご心配な点がある方は、代理でのご支援も可能でございます。以下のアドレスが迷惑メールに振り分けられないように設定をして頂いた上で、一度私に直接ご連絡を頂ければと思います。
 
maki.kurashina.moominvalley【アットマーク】gmail.com
 
 
 また、10月27日(日)日本時間午前5時35分の時点で、何と11人の方にご支援頂きました。そして支援金額は13万円にもなりました!!
 皆様、本当にご支援、ご協力をありがとうございます。2日目も本当に色々な方にご支援頂きました。学生時代の私を知っている方、お世話になってきた方、親族、ベナンで一緒に過ごした仲間。心よりお礼申し上げます。
 そして、私が知らないうちに、姉が一生懸命色々なところに私のクラウドファンディングのことを広めていてくれたことも知りました。そのおかげでご支援に繋がったり、Blogを読んで下さったりして、支援者の方と姉の優しさも知って、心温まる1日でした。
 
 どうぞ引き続き、ご支援、ご協力をお願いいたします。
台風や大雨などで被害にあわれている方もいらっしゃる中でのお願いとなり、心苦しさも感じております。タイミングが悪く、申し訳ありません。
 
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 10月25日、クラウドファンディングと並行して、仕事の研修が始まった。ベナン人お得意の無茶振りで前日の夜に『明日来い。』とのお達しがあり、なぜか時間は知らされなかった。そして明け方になって時間を知らせるメッセージが入っていた。
 前日24日に、アパート全体に停電が起こり、私もクラリスも電子機器が充電出来なかった。朝になると電池残量がさらに減り、うまく落ち合えない可能性がある旨を伝えると、私の研修のお世話をしてくれるクレオパトラさんという女性が、何とタクシーで迎えに来てくれることになった。ちなみにこの高貴なお名前は、本名である。
 今日は何をするのかと聞くと、私が勤める予定の大学で新学期に向けての説明会があるので、それの見学をするということだ。およそ800人ほどの学生たちが集まっていた。この大学、というかこの学部はグローバルに活躍する人材を育てることが趣旨であるため、英語だけでなく、ビジネスの上でのコミュニケーションのとり方やマナーなども学ぶ。説明会は全てフランス語で行われるため、クレオパトラさんがところどころ要約してくれた。頻繁に聞いたキーワードは、integrity であった。この学部で校訓のように重んじられているらしい。良い言葉だ。ちなみにベナンでは大学でも制服があることが珍しくない。しかも、学部によって異なることもあるそうだ。この学部でも、Tシャツとパンツを一応制服としているが、下はスカートでも短パンでも何でも良いそうだ。

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入学式の様子。白地で緑の襟がついているTシャツが制服である。
 途中、休憩が入った後、再び再開したのだが、学生たちの数が減っている。なぜだろう、と思っていると、しばらくして入口のドアが開かれ、100人近くはいるであろう学生たちが壇上に立たされた。クレオパトラさんに、今何が起こっているのかを聞くと、休憩に入る前に◯時に戻れという指示があったのに、戻らなかったため、しばらく建物の前で待たされていたそうだ。そして今、壇上に立たされている。つまり、公開処刑である。しかし、怖い雰囲気は一切ない。フランス語のため何を言っているかは分からないものの、司会者はおどけながら『あれっ、今何時?』と言った感じで大げさに時計を見て、笑いを取っていた。そして遅刻をして来た100人余りの学生たちと記念撮影までしていた。しかし、そこからしっかりと、ビジネスを志すのならば時間をしっかりと守れということを説いていた。信用は一瞬にして落ちるが、獲得するのには時間がかかるということも。そして『ダッコー?(フランス語で「分かったか?」)』と聞いて、学生たちが『ウィー(フランス語で「分かりました」)』と言ったまさにその刹那、さらに遅れて入って来た学生がいて、もはや司会者はコントのように時計を何度も見ていた。
 その後、別のキャンパスに移り、クレオパトラさんのオフィスに入った。彼女はさっきから必死に唸りながら何かを調べている。
 
    "What's wrong?"
 
と聞くと、何ともタイミング良く、その調べ物が終わったようで、スマホを見せながら
 
    "Look! What do you think of it?"
 
と聞いてきた。写っていたのはケーキの写真であった。何と、ご主人の誕生日が近いので、ケーキを探していたようだ。パーティーを企画するのが好きな彼女は、家族の誕生日やイベントで必ずケーキを用意するのだという。しかも、毎回絶対にかぶらないようにするから毎回悩むのだそうだ。ここ最近忙しいと聞いていたが、ケーキ探しで忙しかったのか。
 彼女のオフィスではちゃっかりパソコンからスマホから全ての電子機器を充電させてもらった。そして、何をしていたかというとひたすらおしゃべりをしていた。はっと気がついて、仕事の話に切り替え、
 
    "When do you start a training for me?"
 
と聞くと、クレオパトラさんは、
 
    "Training? It's already starting!"
 
と言った。そうか、これが研修だったのか。心底驚いた。しかし、クレオパトラさんは本当に良い人だ。この日、私にかかる費用は全て出してくれた。お昼代もタクシー代も。そして、帰りもタクシーで送ってくれることになったのだが、彼女はオフィスの近くに住んでいるので、私を送り届けると2時間近く帰りが遅くなる。しかし、途中に美味しいフルーツジュースを売っているお店があり、そこのジュースは非常に美味しくて気分転換にもなるからぜひ飲んでみてほしいと言ってくれて、そこでもちゃっかりとご馳走になってしまった。

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ご馳走になったランチ。ご飯の上に、後ろ奥に魚、右横に揚げチーズ、全体的に蒸したキャベツで覆われている。辛さは中くらいで、とても美味しい。

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ご馳走になったジュース。マンゴー、バナナ、ヨーグルトのミックスで本当に美味しかった。
 彼女に精一杯のお礼の言葉を述べて、家に着くと午後10時近くになっていた。電気はまだついていない。懐中電灯を照らしながらシャワーも浴び、コンタクトも外し、歯も磨き、やれやれと思っていたところで電気がついた。まただ。また私が大変な思いをして色々やり終えると、もう少し待っていれば良かったのにと言わんばかりに電気がつく。そしてクラリスも電気がついたタイミングで帰ってくる。どうして私だけタイミングが悪いのか。
 クラウドファンディング初日を終えて、クラリスがとても喜んでいた。今日、彼女は何回私にメッセージを送ってきただろうか。しかし、彼女がメッセージを送る理由は、「何万集まったか」を知りたいからではない。「どうやって彼らにお礼が出来るか」である。リターンとして用意しているお礼ムービーのことを早くも考えているのだ。彼女は日本円の価値も分かっている。ベナン人からすると億万長者に見える日本人でも、日本国内では物価は高いし、色々払わなくてはいけないものがあることも知っている。そんな日本人から大金が我々のために寄付されていることを本当に喜んでいた。そして、色々反省をしたり、今後の方向性を話し合った。2人の思いはただ1つ、このクラウドファンディングを成功させることだ。クラウドファンディングを巡って、彼女とは色々対立もあった。喧嘩もした。しかし最終的には、やっぱり2人でないと達成出来ないよね、と落ち着く。子どもたちの笑顔も見たいが、クラリスが喜ぶところも見たい。だから私は、私に出来ることは全てやるのだ。