新着情報とちょっと怖い(?)ドライバーと従姉とクラリスのビデオチャット

読者の皆様

 
 
 連日のお知らせで恐縮ではございますが、10月25日(金)より、私とクラリスの共同プロジェクトとしてクラウドファンディングを始めております。
 経済的な理由で学校に通うことが出来ない子どもたちを支援しようと思っています。ご支援、ご協力を何卒よろしくお願いいたします。リンクを貼りますので、ぜひお読みください。
 
 
ネットでのご支援にご不安やご心配な点がある方は、代理でのご支援も可能でございます。以下のアドレスが迷惑メールに振り分けられないように設定をして頂いた上で、一度私に直接ご連絡を頂ければと思います。
 
maki.kurashina.moominvalley【アットマーク】gmail.com
 
 また、10月28日(月)日本時間午前5時35分の時点で、何と18人の方にご支援頂きました。そして支援金額は21万5千円にもなりました!!スタートから3日目で半分に達しております!!皆様、本当に本当にありがとうございました。3日目もたくさんの方々から大金を頂戴し、本当に感謝しております。支援者の方々には公開メッセージでも個人メッセージでもお礼の言葉をお伝えしておりますが、本当に伝えきれないのがもどかしいです。
 大学院でお世話になった先生方からご支援と励ましのお言葉を頂戴しますと、嬉しいという気持ちだけでなく、自己肯定感まで感じられます。私が英語教育を学んだ場所でもあるので、私をここまで導いて下さった先生方に認めていただけるのは嬉しいという言葉では言い表すことは出来ません。
 また、出会ってからずっと私を応援し続けて下さっている方にもまた、こうしてベナンにいながらも変わらず応援し続けていただいていることに感謝しております。なかなか普段面と向かっては言えないものですが、次回お会いしたときに、少し照れますがきちんと言葉にして感謝の気持ちをお伝え出来ればと思います。
 そしてまた、身内のことで恐縮ですが、姉にもまた感謝しております。姉が広めてくれたおかげで、本日もたくさんの方々にご支援いただきました。友達の妹、というだけで普通金銭的な支援まではしないと思います。その方々ご自身の優しさとあたたかさに感謝を申し上げると同時に、姉の人望ゆえのものでもあるのだとしみじみ思いました。支援者の皆様、お姉ちゃん、本当にありがとうございます!!
  皆様、どうぞ引き続き、ご支援、ご協力をお願いいたします。
台風や大雨などで被害にあわれている方もいらっしゃる中でのお願いとなり、心苦しさも感じております。また、学校関係にお勤めの方は、文化祭などの行事シーズンと重なりました。色々とタイミングが悪く、申し訳ありません。
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 10月26日(土)、今日も朝から研修に向かうことになっている。クラリスにバイクタクシーを拾ってもらい、いつも通り行き先と値段交渉をしてもらった。しかし、たまに(というか私が急いでいるときに限って)全くバイクタクシーがつかまらないときがある。ようやくつかまえ、値段も納得がいくもので交渉成立となり、クラリスに別れを告げて出発した。
 1ヶ月くらい前だっただろうか。初めてバイクタクシーに1人で乗ったとき、ドライバーが迷子になった。これまで何度もバイクタクシーに乗ってきて、そんなことは起こり得なかったのに、よりにもよってバイクタクシー1人乗りデビューのときにそれは起こった。そして、何と今日またもや同じことが起こっている。ただし、今日は前回とはちょっと異なる。前回はドライバーが自信満々に、『ああ、そこなら知ってるぜ!』的な感じであったのに対し、今日は実はクラリスには言えないが、私は交渉の段階で『本当に大丈夫だろうか…』と不安だったのだ。と言うのも、クラリスが行き方を説明しているとき、ドライバーの顔が怪しかったのだ。
 とりあえず、私たちは迷子になった。基本的にベナン人に英語は通じない。バイクタクシーのドライバーで英語が通じたのはこれまで数人くらいだ。そして運悪く、24日夜から発生している停電のせいで、クラリススマホも充電が出来ておらず、電話が通じないためクラリスに助けを求めることが出来ない。仕方なく、研修でお世話になっているクレオパトラさんに電話をし、クレオパトラさんとドライバーでやり取りをしてもらった。その結果、迷子になった場所でバイクタクシーを降り、クレオパトラさんが私をタクシーで拾いに来てくれることになった。
 無事にクレオパトラさんが迎えに来てくれて、キャンパスに着いた。今日は、とある書類の整理を2人で片付けることになっている。書類というのは、成績処理のことだ。スコアを確認しながら入力していく、という作業だ。また、クレオパトラさんが学生たちが課題として読むことになっている本を Kindle で読めるように手配をしてくれた。ビジネスを学ぶ場でもあるので、ビジネス書がメインだ。
  ようやく研修らしくなった。成績なので、数字に見落としが無いかを目を凝らして確認したため、しっかりと疲れた。土曜日なので、夕方になる前に切り上げた。帰りはクレオパトラさんにバイクタクシーをつかまえてもらい、行き先と値段の交渉をしてもらった。
 顔だけ見ると、正直ちょっと怖そうなドライバーではあったが、きちんと送り届けてくれれば問題無い。仕事先から家までは小一時間かかる。半分くらいまで来た頃だったか。ドライバーが何やら後輪をチラチラと見始めた。何だろうと思っていたところで、スピードを落とし、路肩で止まった。もう、嫌な予感しかしない。このドライバーも英語は通じない。しかし、ジェスチャーで何やらバイクにトラブルが起きたことは分かった。やはり、申し訳ないのだが顔が少し怖い。外国人の、しかも現地語もフランス語も通じない私に修理代を寄越せと言ってきたらどうしよう、と身構えてしまった。すると、ドライバーはその間にもビュンビュン走っている別のバイクタクシーを1台つかまえた。何やら私の顔を見ながら話している。しかし、何を話しているのかちっとも分からない。話が終わると、このドライバーはジェスチャーで、今彼がつかまえたバイクタクシーに乗るよう指示した。そしてさらに、「行き先も教えたから大丈夫」というようなこともジェスチャーで示した。『2人分に払うとなると恐らく当初の予定より高くなるだろうな、しかし仕方が無い。』と思って彼にお金を渡すと、彼はさらに、「彼がつかまえたバイクタクシーにはお金を払わなくていい」ということを示した。もう1台のドライバーもポケットからお金を出して、「今彼からもらったから要らない」ということをジェスチャーで教えてくれた。つまり、私が最初のバイクタクシーに払った800セファを2人で割ってくれたということだ。全く気がつかなかったのだが、ちょっと目を話した隙に、彼はお金を渡していたのだ。従って、元々払う予定の800セファで済んだということだ。顔が怖い、と言ってしまったが、最後はこんなに優しくしてくれたし、別れるときにバイクの後輪を指差しながら「ごめんね」というようなジェスチャーもしていた。
 そして、彼がつかまえてくれたバイクタクシーは確実に私を家まで連れて行ってくれた。彼がしっかりクレオパトラさんから聞いた道順をこのドライバーに引き継いでくれたということだ。そして、私が彼らのジェスチャーから読み取ったことははずれていなかった。お金を追加で払うことはなかった。トラブルと思ったが、こうやって問題なく終えられるのであれば、それはトラブルとは言わない。ただの心温まる話である。色々と「持っている」私ではあるが、最終的にはいつも誰かに助けられる。
 クラリスは、帰ってくるなりまたクラウドファンディングのことを喜んでいた。毎度同じことを言う。「どうやったら支援者の皆様にきちんとお礼が出来るか」である。そして、私の従姉も支援をしてくれたことを知るや否や、写真を見せろと要求してきた。そして、
 
    "She is too beautiful..."
 
とうっとりと見とれた後に、今度はビデオチャットを要求してきた。私も実は以前から、従姉とクラリスは会わせたいと思っていた。2人ともフランス語が話せるし、従姉とは毎日連絡をしているので、私のベナン生活を誰よりも知っている。しかし、従姉も家庭や仕事があるので、なかなかタイミングが無かった。試しに従姉にクラリスビデオチャットをしたがっている旨を伝えると、有難いことにすぐに承諾してくれた。初めての3人でのビデオチャットが始まった。
 最初はカオスであった。従姉と少し日本語で話していると、クラリスは日本語を話せないくせに私の喋った日本語を何とかリピートしてくる。そして、スマホを寄越せと言わんばかりに画面に近づいている。そしてついにクラリスの独壇場となった。少々電波は悪かったものの、従姉とクラリスがフランス語で話し始めた。初めて聞く従姉のフランス語はもうネイティブそのもので、ただのフランス人のフランス語のようであった。何の支障も無く2人とも会話をしていた。私は完全にアウェーであった。今ここで私の悪口を言われていても分からなかっただろう。
 日によっては上手くいくのだが、本当に電波が悪いときがある。今日はコンディションがあまり良くなかったので、次回またゆっくりと話そうということになった。
 クラリスは寝るまで、スマホFacebook や WhatsApp、そして我々のクラウドファンディングのページに届く応援メッセージをずっと見ている。時折、日本語で書かれているものを見つけると、私に通訳するよう頼む。私が通訳や翻訳が嫌いなことはどこかの記事にも記したが、日本語から英語だし、こういうときの通訳は悪くない。そして、通訳していたときに思ったのだが、日本語は本当に多種多様で、応援の言葉にも色々な表現があるのだなと思った。クラリスは、日本語から英語に切り替えられるページはその翻訳機能を使っているのだが、それを使って読んでいるときに、クラリスが面白いことを言った。
 
    "In Japan, people often write 'take care'. They are really nice."
 
確かに、色んな応援メッセージを見ていると、『体に気をつけて』という言葉を多く見る。人を気遣う文言を入れるというのは、確かに日本語は素晴らしい。また、『陰ながら』や『微力ながら』も日本語独特だ。クラリスは英語に切り替えて見ているので、少々日本語の『陰ながら』や『微力ながら』とは意味がずれるものの、クラリスは、日本人の表現の方法にも興味を持ちながら読んでいた。
 今の私たちにとって、こうして色んなところで私たちのクラウドファンディングのことを広めて下さったり、応援メッセージを書いて下さったり、支援をして下さったりと、あらゆることがエネルギーや癒しとなっている。皆様、本当にありがとうございます。2人とも幸せな気持ちで寝ることが出来た。