銀座の高級カフェでベナン話
12月10日(火)、
昨日も青山の方へ出かけたが、 とある高層ビルでエレベーターに乗って、 エレベーターってすごいなと思った。 そういえばベナンではエレベーターにもエスカレーターにも乗らな かった気がする。ベナンには、高層ビルはそうそうない。 たかだか4ヶ月ぶりの日本なのに、 日本の技術の高さがよく分かる。こんな先進国にいたのか、 と思い知らされる。今のところ、それ以外で特に「久しぶり感」 は無いが。
待ち合わせ場所は、銀座の見るからに高級そうなカフェで、 ここでも私はたじろいだ。たじろいだ理由は、 ベナンとの違いを感じたからではない。自慢ではないが、 ベナンに行く前だって、 こんな高級なカフェに来ることはなかったからだ。 足元にレッドカーペットまで敷かれているではないか。 私が店の前に立った瞬間から、 まるで待っていたかのように店員さんがにこやかにドアを開けてく れ、『待ち合わせです。』と伝えると、スムーズに案内され、『 段差にお気をつけください。』とまで言われ、 自分がお姫様か何かになった気分になった。ベナンでは、 立て付けの悪いドアを手動で開ける。開けたら最後、 あるいは閉めたら最後、という恐怖感を味わうことも楽しいが。
今日お会いした B さんは、初めてお会いする方ではあるが、 メールでのやり取りからすでにベナンのことにも、私のことにも本当 に興味を持ってくださっていた。そして実際にお会いして、 たくさん質問をしてくださった。私が勉強・ 経験不足で答えられなかったことも多かったが、『 まだ滞在4ヶ月でして…』と言い訳はそろそろやめなければ、 と思う。ベナンという国は、知らない人の方が多いと思う。 だからこそ自分が色々真実を伝えられる役割を担えるということに 、プレッシャーというより、嬉しさを感じた。 そもそも自分だって、ベナンという国なんて、 実際に行くことになるまで知らなかった。 フランスに統治されていたことは、行って初めて知ったくらいだ。 まだベナン新参者の私には話せることなどそれほど無いのだが、 B さんがたくさん質問をしてくださったおかげで、 改めて自分は本当にまだ何も知らないということが分かった。 もちろん、私だから答えられることもあるが。
B さんは、私がどういう事情でベナンに渡ったのかを話すと、 とても驚いていた。女の子1人で、よく決心した、と。 親御さんは心配しなかったか、と。女の子1人で、 という点に関しては、 引き止めてくれる恋人もいなかったからだし、友達に至っては「 蹴りたい背中」のごとく、 背中を蹴り飛ばして後押しをしてくれた。 親御さんの心配に関しては、いつからか「もう言っても無駄」 という雰囲気が漂い、 ベナン滞在中も大して連絡してこなくなった。こっちが『 心配してないの?』と心配するくらいであった。
銀座の高級カフェのアフタヌーンティーをしながら、 マラリアだの下痢だの給料の未払いだの、 何ともアンバランスな話をしてしまったと思ったが、 Bさんととても楽しくお話することが出来て良かった。 Bさんのお話も楽しかった。
クラファンをやって、 子どもたちを支援することが出来るだけでなく、 こうして今まで知らなかった人たちと出会えることもまた良かった と思う。 普通に日本で生活していたら交わることのなかった人たちと出会い 、身の上話をして、楽しい一時を共有する。今回の一時帰国では、 このような新しい出会いがたくさんあるので楽しみにしている。
ただし、いつかの大失態を2度と繰り返さないように、 いつイケメンに出会っても大丈夫なように、服装と髪型はきちんとし ておこうと思う。