予防接種と日本の飲食店
12月13日(金)、
今日は楽しみなこともある。友達 C と会うのだ。C はクラファンの支援者でもある。
C とランチをすべく、C の旦那さんが経営しているイタリアンのお店で待ち合わせをし た。C は、数年前に結婚をして、今は2児の母でもある。 就職の時期も異なっていたし、 彼女は結婚してからすぐに子育てが始まったし、 何となく会わない期間が続いた。
しかし、 ラインのタイムラインで私のクラファンのことを知るや否や、 いち早く支援をしてくれた。 支援してもらってこんなこと言うのも変ではあるが、 本当にすごいと思う。 長らく会っていなかった友達が海外でやっていることに金銭的な支 援をするなんて。しかも、子育ての真っ只中なのだから、C こそ今後お金が必要になる。 そのお金を私やベナンの子どもたちに割いてくれたのだ。だから、 どうしても直接お礼が言いたかったのだ。
待ち合わせのレストランで久しぶりにC を見ると、ちゃらんぽらんしている私とは異なり、 ちゃんとお母さんの顔をしているなと思った。 旦那さんお手製のパスタをいただきながら、C は熱心にベナンのことを聞いてくれた。昼時で、 さらにパスタがとても美味しいからお店は大繁盛で、 旦那さんはとても忙しそうであった。しかし、 ちょいちょい合間に旦那さんもベナンのことを聞いてくれたのが嬉 しかった。旦那さんとは初対面ではあるが、 夫婦揃って応援してくれているのがよく分かる。
昼時が過ぎ、他のお客さんがいなくなったときに、 また旦那さんは話に入ってきてくれた。 子どもは2人とも女の子なので、旦那さんはデレデレのようだ。
『 もしお嬢さんたちがアフリカに行きたいって言ったらどうします? 』
と聞いてみた。すると、
『考えを改めさせる。』
だそうだ。そりゃそうだろう。『ちょっと京都に行ってきます。』 とはワケが違う。アフリカに行く、と言って、『おー、 楽しんでこい。』という親はそうそういないだろう。
C とは昔のように変わらず話が出来て良かった。夫婦揃って、 ベナンという現場で頑張る私を大いに褒めてくれたが、 親となり子育てに仕事に忙しい中で、 こうして赤の他人の応援をしてくれる素敵な夫婦がいるからこそ出 来ることである。
可愛い子どもと C と別れ、私は病院に向かった。ついに来た。予防接種の時が。
名前を呼ばれて診察室に入ると、 看護師さんがとてもにこやかに出迎えてくれた。
『アフリカのどちらに?』
と聞かれた。こういうときは『ベナンです。』 と言ってもたいてい通じないので、
『西アフリカのベナンです。』
と答えた。すると、
と言われた。何という偶然。ギニアも西アフリカだ。まさか、 看護師さん自身がアフリカ、しかも西アフリカに行っていたとは。 お互いに『youは何しにギニア/ベナンへ?』 と質問をし合った。彼女はダンスを習っていたそうだ。
『へ~ギニアにダンスですか!』
と、盛り上がり始めたところで注射された。 あまりにも素早くて、一瞬何が起こったか分からないほどであった。立て続けにインフルエンザの方も打たれた。もはや、『ひぃっ』という声すら出せないほどであった。苦手な注射であったはずなのに、打たれすぎていて耐性が出来たのか。怖いといえば怖いのだが、昔ほどギャーギャー言わなくなった気がする。
多分、看護師さんの腕が相当良かったのだろう。おかげさまで力むことなく2つの注射を終えた。
その後、今度は別の2人の友達 D と E に会うことになっている。4ヶ月ぶりの焼肉だ。ベナンにいるときからこの日に焼肉に行くことを計画していた。D と E とは普段から頻繁に会っていたが、4ヶ月ぶりに会っても何にも変わらなかった。焼肉のときは3人とも食べることに専念をする。そして食べ終わった後に、3人のマシンガントークが繰り広げられる。ベナンのこと、2人の仕事のこと、4ヶ月の間にお互いが行った場所のこと。何一つ変わらない3人であった。30代に突入した3人であるのに、恋愛や結婚の話にならないのも面白い。
日本で食べる肉は何と美味しいことか。というか、日本の飲食店は本当にクオリティが高い。昨日は松屋に行ったが、松屋ですら私は満足出来る。ベナンの食事も美味しいが、種類の豊富さや栄養価の高さはやはり日本には叶わない。焼肉なのにサラダが食べられるとは、何と素晴らしいことか。
日本から帰って早々、支援者の方とお会いも出来たし、今週はずっと色んな人に会って、美味しいものも食べ、家族と過ごし、予防接種も済ませた。一時帰国といえど、のんびり過ごすつもりはない。やらなければならないことはもちろんのこと、やりたいことは全てやる。来週からはいよいよバイトも始まる。ベナンで無給で働いていた分、円で取り返すつもりだ。