卒業生との再会と「どっちが効率的?」

 1月8日(水)、今日も出稼ぎを終えた後、人と会う予定をしている。私のとても大切な卒業生2人と会うのである。私の一時帰国を知って、会いたいと言ってくれた。私が最後に送り出した卒業生でもある。2人が大学生になってからはほとんど会わないまま私はベナンに渡ったので、実に久しぶりであった。

 午前中に出稼ぎを終えて、2人との待ち合わせ場所に向かった。今日は特別寒い。
 駅で2人に会ったとき、一瞬認識出来なかった。制服を来て髪の毛が黒いイメージしか無かったので、私服を着て、髪型を変えたりメイクをすると誰だか分からないほどであった。
 早速3人で近くのカフェに入り、近況報告を聞いた。2人ともしっかり大学生であった。そして、高校生のときから変わらず真面目に勉学に励んでいた。2人の話を聞いて、自分の学生時代を思い出した。私も2人と同じように、色々やりたいことや勉強したいことがあって、でも学生ゆえに金銭的な事情もあって全てが出来なくて、もどかしい思いをしていたな、と。
 アルバイトを始めたときのことも思い出した。私が学生のときは、都内で時給800円から900円が普通で、1000円を超えたら高時給であった。しかし今は、東京都の最低賃金が1000円を上回っているというではないか。時代は変わったなと思う。そして高時給というだけで始めた塾講のアルバイトが、結果として先生を志すきっかけとなったんだよな、と。
 私の卒業した大学は、勉学に励むよう、入試どころか時間割までもが鬼畜で、1時間目と最終の5時間目が意図的なんじゃないかと思うほど最初から埋まっていた。おまけに課題やレポートも尋常じゃないほど出て、アルバイトまですると、高校生より忙しかったと思う。授業で使う本が高くて、当時付き合っていた彼氏に、誕生日プレゼントもクリスマスプレゼントも図書券にしてほしいと色気のないお願いをしていたっけ。
 2人の卒業生は、時間割に縛られなくとも自主的に勉強もアルバイトもしっかり頑張っていた。自分の学生時代も後悔がないくらいに青春していたと思うが、この2人なら私以上に青春を楽しむんだろうなと思って嬉しかった。ただ1つ悔いが残るのが、大学生から大学院生のときの恋愛が1回しか無かったので、もう少しそういう意味での青春もしておけば良かったと思ったので、2人には恋愛もしっかり楽しむように伝えておいた。

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卒業生2人と。同じく女子大生でまだ通るだろうか。
 家に帰って、引越しの準備をし始めた。1月末にこの私の城を解約をするので、そろそろ準備を始めなければならない。インターネットで引越し会社や家具・家電の引き取りについてのリサーチを始めた。家にWi-Fi が入っているのだが、これがまた超高速過ぎて、実はベナンから戻って来て慣れないことなのだ。
 ベナンでは、ネットの接続が遅いので、繋がるまでに時間がかかることもある。最初はそれに戸惑いもあったが、慣れてくると、
 
 『繋がらないなぁ。じゃあこれでもするか。』
 
と、複数のことを同時進行していたので、意外と効率よく仕事がはかどっていた。ところが日本では、接続が速過ぎて、ちょっとボケっとしているとあっという間に繋がるので、自分の頭の方が追いつかない。ベナンではよく、日本のインターネット環境が整っていることを羨ましがられる。確かに、それこそ日本が効率化を求めて追いつけ追い越せと発展してきた分野であろう。
 ところが、ベナンでも意外と効率よく仕事をする術を身につけた私にとっては、このネットの接続の速さにかえって戸惑う。ポチッとボタンを押して、繋がる間に用を足そうと思って立ち上がるとあっという間に繋がっているので、用も足せやしない。
 結局、接続が速過ぎて頭の処理が追いつかず、用も足せず、何だか疲れてしまったので、今日のリサーチは早々に切り上げることにした。