【クラファンのお礼】と誕生日

ブログを見て下さっている皆様
 
 連日お知らせをしていました、シェリーココ代表の莉穂さんと行っていたクラウドファンディングですが、昨日午後11時に無事に終了いたしました。最終的に、銀行振込の方からの入金を含めて、1,348,500円に達しました。目標金額を大幅に上回りましたので、プロジェクトも成立しております。皆様からのあたたかすぎるご支援に、心より感謝を申し上げます。以前の私とクラリスクラウドファンディングにご支援いただいた方で、今回も再びご支援して下さった方もいました。皆様のおかげさまで、さらに多くのベナンの子どもたちを学校に通わすことが出来る目処が立ちました。皆様、いつも本当に本当にありがとうございます。良き報告が出来ますように、精一杯頑張ります。この感謝の気持ち、絶対に忘れません。皆様、どうぞご無事でお過ごし下さい。
 そして以下は、約2ヶ月前の私の日記です。
 
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 6月15日(月)、32歳の誕生日を迎えた。我ながら、自分が32歳になったことが信じられない。世の32歳はもっと大人で、しっかりしているようだが、自分は果たして32歳と言っていいのか不安になる。
 誕生日は、年々簡素になっていく。元より、誕生日に特別な思いはなく、いつも通りに過ごし、夜に家族でケーキを食べることが出来れば、私には十分である。物はいらないし、サプライズもいらない。そりゃ、小さいときはお誕生日会を開くのが好きだったし、プレゼントをもらうことも楽しみにしていた。しかし、いつからかクリスマスプレゼントも誕生日プレゼントも図書券をねだるようになり、さらにいつからか、それも頼まなくなった。欲しいものは自分で買い、好きなように生き、食べたいものを食べて生きているから、いつも誕生日みたいなものである。
 ところで、ついに学校が再開した。分散登校ではあるが、生徒に初めて会うことが出来た感動はやはり大きい。6月から、電車の中で中学生や高校生がマスク姿で楽しそうに話していたり、駅で待ち合わせをしていたと思われる子たちが、お互いの顔を見るなり、『久しぶりー!!』と言って手を振り合っている姿を見て泣けてしまうあたり、何だか年をとったのかな、と思う。
 1年ぶりに日本の学校で教壇に立つ。久しぶりに日本の高校生たちを相手にして、変な緊張をしてしまった。授業が始まってから1週間ばかり経つが、感覚がまだ戻らない。ベナンに行く前に、5年間日本の学校で教えていたというのに、やはりブランクは非常に感じてしまった。機械音痴で、iPad を使った授業に苦戦している様子は、生徒にもすぐに分かり、優しい彼らは、私が困っているときに助けてくれる。私は毎回、行きつく学校には必ず恵まれる。生徒はかわいいし、周りの先生たちは優しくて私が大変なときは必ず気遣ってくださる。大変なことも多いけれど、何だかんだ言って、楽しい。これだけでも十分に大きな誕生日プレゼントだ。
 本来であれば、英語の授業なのだし、これだけ色々な機械が揃っているのだから、それらをフル活用した授業がしたい。音読やペアワーク、グループワーク、色々アイディアはあるのだが、残念ながらそのほとんどを諦めざるを得なかった。今は、とにかく感染を避けなければならない。しかし、友達と話したい遊びたい盛りの子どもたちに、しかも学校で「なるべく喋らないように」「くっつかないように」という指導をしなければならないのが辛い。感染を恐れて学校に来れない子だっている。マスクをすることが当たり前となって、本当に異様な光景だと思う。この子たちは、こんな中で学校生活を送らなければならないし、部活動も制限されて、大会はほとんど中止となり、目標や気力を失ってしまった子が多い。コロナよ、何てことをしてくれたのだ。本当に恨めしい。
 分散登校ゆえに、教員も分散出勤で、今日は私は出勤をしておらず、ちょっくら外に出ていた。家に帰っていたときだった。クラリスからメッセージが来ていた。もちろん、誕生日を祝うメッセージだ。思わず、顔がほころぶ。お礼のメッセージを返すと、電話がかかって来た。歩きながら電話に出ると、ビデオ電話であった。こちらもビデオ電話に切り替えた。懐かしいクラリスが写っていた。頻繁に連絡は取り合っているものの、相変わらず元気そうに過ごしているようなのが嬉しい。するとクラリスは、ちょっと待て、と言って、電話を持ったままどこかに向かった。次に画面に写ったのは、懐かしい子どもたちの顔ぶれであった。私たちの家の近くに住んでいる子たちだ。そして何と、クラリスが音頭をとって、Happy Birthday の歌を歌ってくれたのだ。それも、英語で。彼らは英語を知らないはずだが、クラリスが即興で教えたのだろうか。ベナン人が歌う Happy Birthday は、日本のそれと歌詞が少し違うようだ。こんなところも違くて面白いなあと思った。偶然にも、その中の1人の子どもも同じく今日が誕生日だそうだ。2人で Happy Birthday と言い合った。最後に再びクラリスが出て来て、
 
     "Enjoy your birthday tonight with your family."
 
と言ってくれた。家に帰ると、父と母がいて、姉もいる。月曜日が休みの姉が、ケーキを買ってきてくれた。私の好きなチョコのケーキだ。
 今年の誕生日は、絶賛コロナ渦中ではあったが、楽しみにしていた学校も再開してかわいい生徒に会うことが出来て、優しい先生たちに囲まれ、楽しい先生生活を送ることが出来て、クラリスからメッセージも届き、ベナンの子どもたちを久しぶりに見ることも出来て、美味しいケーキを家族で食べることが出来た。最高の贅沢であった。

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家族で食べたケーキ。

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ビデオ電話をしたベナンの子どもたち。相変わらず動くからスクショがブレる。