夏期講習とドタキャン

 8月28日(金)、疲れた。1学期だけ勤めることになった学校で、夏期講習を担当しているのだが、昨今の情勢を踏まえて、オンラインで行うことになったのだ。

 オンラインの形態は様々で、リアルタイムで行う先生もいれば、授業風景を録画して配信する先生もいる。私は、パワポを作って iPad で画面収録したものを YouTube で配信することにした。
 ところが、これが非常に大変な作業であった。凝り出すとキリがなく、1回の授業のパワポを作るのに1日がかりであった。このコロナ禍において、オンライン授業への期待が高まっているようだが、やってみて思ったが対面授業の方が何と楽なこと。録画していると思うと、一回失敗したら撮り直さなければと思って、何度もやり直す羽目になった。これが今日まで続いていた。
 徹夜続きであったため、LINE やメールの返信が遅れていた。そこで、衝撃的なメールが来ていたことに気がついた。
 私は、9月1日にベナンに向けて旅立つつもりであった。3月にベナンから戻ってくるときに、往復で取っていたのだ。いつも私は、韓国とエチオピアを経由する便を利用しているのだが、その便が取れなかった。代わりに、香港とエチオピアを経由する便となっていた。成田から香港までがキャセイパシフィック航空、香港からはエチオピア航空となっていたのだが、そのキャセイパシフィック航空からメールが来ていた。何と、香港までの便がキャンセルになったのだそうだ。困った。これまで飛行機のキャンセルなんて食らったことなんかなかった。本当にこんなことが起こるのか。
 航空券を取った3月のあのときは、何せ緊急脱出みたいなもので、ネットで慌てて取ったのだから、自分がどこのサイトから取ったのかも覚えていなかった。改めて見てみると、とてつもなく評判の悪い会社であった。急いでキャセイパシフィック航空にもあたってみたが、返金出来るように力は尽くすが、手続きには多くの時間がかかるとのことだ。ええい、この際返金は出来なかったとしても、別の便を探さなくてはならない。
 ようやく学校の勤めも終えて、これからベナン出発に向けて準備をしようとしていた矢先のことであった。ベナンの子どもたちを学校に通わせるプロジェクトがいよいよ始動するというのに、ベナンに戻らなくてどうしろというのだ。
 一体どうなってしまうのか。10月にプロジェクトが始動するのだから、9月には絶対に戻らないといけない。まずは飛行機の確保だ。ハーゲンダッツを食べながら、検索を開始した。