アフリカ布、犬デビュー

 1月2日(土)、2021年が明けた。というのに、明るいニュースは無く、相変わらずコロナウイルスは猛威を振るっている。大晦日にまた感染者は爆発的に増えたから、きっとまた政府は慌てて緊急事態宣言を出すのだろう。

 帰国して3ヶ月。せっかくベナンに行って痩せたのに、帰国してたるみきったお腹はどうしようもないレベルに達していた。動物ならこのまま冬ごもりをするために栄養を蓄えているんだと言い訳になるのだが。それは分かっていても、正月くらいたくさん食べて寝ていたい、とゴロゴロしていたら、友達から連絡が入った。
 その友達、彼女は、私のベナンでの活動のことをとても応援してくれている。3ヶ月前の帰国の際、私はまたクラリスのお姉さんに服を作ってもらった。通常、女性1人分の服を作るくらいなら、布は相当余る。友達はその布の模様が気に入ったそうで、余った布を、彼女にプレゼントしたのだ。そしてその布を、飼っているワンコの服に使ったようだ。
 世の中、本当にありとあらゆることが可能になって、今では人間の服だけでなく、ワンコの服もオーダーメイドが出来るのだ。私の知り合いの知り合いに、ちょうどワンコの服を専門に扱っている人がいて、その人に頼んだのだ。クラリスに言ったらビックリするだろう。ベナンでは犬や猫はペットではなく、食用であるし、猫の場合はねずみ取りとして家に住みついていることもある。狂犬病の危険性があるから、犬には近寄らない。だから、犬や猫に服を作るだなんて、多分信じないだろう。
 その服が完成したのだ。アフリカ布を、日本人が身にまとうのはもはや驚かないとして、日本のワンコが着るというのは興味深い。さて、ワンコは気に入っただろうか。

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ワンコ、渾身の1枚。

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服の全貌。
何とも言えない表情である。アテレコをするなら、『何これ...?どこの布?』といった感じだろうか。犬だから当たり前だが、人間のように黙ってピースをして写真を撮らせてくれるわけではないから、この写真を撮るのも一苦労だったようだ。ものすごくベストショットに見えるが、きっと何回も撮り直しての渾身の1枚だったのだろう。家の中での「映えポジ」も追求してくれたそうだ。しかしこのワンコ、めちゃくちゃかわいい。ニヤニヤしてしまうではないか。そして、自分が選んだ布ではあるが、とても良い生地ではないか。デザインも、燕尾服のような作りでおしゃれだ。このワンコは『何かいつもの服と違うなあ。』と思いながら着ているのだろうか。断然犬派である私は、犬のアテレコも好きなのだ。今日こそは新学期の準備をしようと思っていたのに、私の正月はこのワンコのアテレコで終わった。

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私、帰国前の渾身の1枚。いつかこのワンコとペアルックをすることを夢見て。