新着情報とオカカエカカノ

読者の皆様
 
 
 連日のお知らせで恐縮ではございますが、10月25日(金)より、私とクラリスの共同プロジェクトとしてクラウドファンディングを始めております。
 経済的な理由で学校に通うことが出来ない子どもたちを支援しようと思っています。ご支援、ご協力を何卒よろしくお願いいたします。リンクを貼りますので、ぜひお読みください。また、以下のサイト内の「新着情報」というところを更新しておりますので、ご興味があればどうぞそちらも合わせて読んでいただけますと幸いです。
 
 
ネットでのご支援にご不安やご心配な点がある方は、代理でのご支援も可能でございます。以下のアドレスが迷惑メールに振り分けられないように設定をして頂いた上で、一度私に直接ご連絡を頂ければと思います。
 
maki.kurashina.moominvalley【アットマーク】gmail.com
 
 そして、11月2日(金)日本時間午前4時30分の時点で、目標金額の77%まで到達しております!!皆様、本当に本当にありがとうございます。
 毎日嬉しい励ましのお言葉を頂戴して、仕事先でこっそりと泣いております。皆様のご支援が、このプロジェクトをどんどん後押ししてくださっています。ご支援いただく度に思いますのは、本当に支援者の皆様のお力は大きいということです。ご支援いただいたり、SNS などでシェアしていただいたり、メッセージをいただく度に、励まされ、このプロジェクトに挑戦して良かったと思っております。
 11月25日までは、予定通り募金を続けさせていただきます。もし、目標金額の43万円を超えた場合は、さらに多くの子どもたちを学校に行かせることが出来ます。
 皆様、どうぞ引き続き、ご支援、ご協力をお願いいたします。
台風や大雨などで被害にあわれている方もいらっしゃる中でのお願いとなり、心苦しさも感じております。また、学校関係にお勤めの方は、文化祭などの行事シーズンと重なりました。色々とタイミングが悪く、申し訳ありません。
 
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 11月1日(金)、ベナンでは万聖祭という祝日にあたる日でも、私もクラリスも仕事になってしまった。クラリスに至っては最近とにかく忙しくて、昨日は帰りがあまりにも遅くなるとのことで、仕事先に泊まる羽目になった。私は幸運なことに、研修でお世話になっているクレオパトラさんが、今日は半日だけで良いと言ってくださったので、朝いつも通りに9時に着き、午後2時まで研修をしていた。すでに記している通り、私が研修を始めてから毎日通うことになったので、クラリスが私に専属のバイクタクシーをつけてくれた。おかげさまで、毎度値段交渉をすることも行き先を説明する手間も省けた。とてもパンクチュアルなドライバーは、朝私より先にアパート前でスタンバっている。
 ちなみに、バイクタクシーは現地語で「カカノ」と言う。お抱え運転手、と私は呼んでいたのだが、「カカノ」にやたら魅了されている私の従姉が「オカカエカカノ」と呼び始めたので、有り難く、そして勝手にその名称を使わせていただくことにする。
 今日は祝日なので、通常人は仕事には向かわない。私のカカノとて、休みたかっただろうに今日の送り迎えも引き受けてくれた。事実、彼は今日、バイクタクシーである証の黄色のTシャツを着ずに迎えに来た。他に客を乗せるつもりは無いのだろう。祝日に早起きして、小一時間かけて私の仕事先に連れて行ってくれることは本当に有難い。しかも彼は今日、アフリカンセットアップで登場した。アフリカンフェチの私の胸がバクバクしたではないか。
 やはり祝日ゆえに、いつもよりスイスイと進み、40分足らずで到着した。彼は、ゆっくりと簡単な単語を使って話せば英語が通じる。今日は2時に迎えに来られるかを聞くと、また快く承諾してくれた。
 研修は、自主的に行われる。今はひたすら、学生たちが課される課題に私自ら取り組んでいる。本を読んだり、レポートを書いたりだ。洋書を読むのが久しぶりすぎて、なかなか頭に入らない。今日のレポートの課題は、
 
    "What will you life be like? What do you want in your life?"
 
であった。しかも、それを未来時制ではなく、現在時制で書くのだ。実現を前提に書けということか。なかなか面白い。また、このレポートを書くにあたって、
 
    "Write something worth reading. Do something worth writing."
 
という注意書きがあった。実に面白い。
 割と骨の折れる課題であった。しっかり午前中を丸々かけて仕上げ、午後は読書に費やした。2時になった。パンクチュアルなオカカエカカノにしては珍しく、30分遅れで到着した。彼が来た瞬間にそのワケが分かった。バイクタクシーの証である黄色のTシャツを着ていたので、おそらく帰った後、他に客を乗せていたのだろう。彼は、スマホで英語を時折調べながら、英語で私に話しかけた。"How many days" や "How many weeks" と言っていたので、私が週何回ここに来るかを聞いていたのだ。「おそらく、長きにわたって通うことになる」ということを告げると彼は少し何かを考え始めた。とりあえず、乗れ、と言われたので、乗って家まで送り届けてもらった。
 家に着いて、お金を払おうとすると、彼はまた英語で話してくれた。先ほどの話の続きみたいだ。英語話者ではない彼が一生懸命何かを伝えようとしてくれている。3ヶ月いて私は一向に現地語もフランス語も話せないくせに、この見知らぬ外国人に彼は英語を使ってくれている。やはり、「私が何日、そして何週間仕事場に向かうのか」を聞いているようだ。「基本的に月曜日から金曜日、そしてそれが毎週続くことになる」と告げると、
 
    "Pay month. Better."
 
と言った。つまり、毎回払うのではなく、一括で払った方が良いということか。彼は続けて、"Money" という単語を使い始めた。金額の話にもなった。しかし、なかなか意思疎通が出来ない。ここで私は一つの可能性を考えた。もしかして、毎日来るのは負担なので、増額を要求しているのではないか、と。バイクタクシーでは、よく外国人の私を見た瞬間に現地人の2倍の値段を要求してくる。またそのパターンか、と思い、
 
    "You want more money?"
 
と聞くと、「うーん」と考えて、スマホを取り出し、電卓を開いた。そして、彼は、私が毎回払っている往復の金額である1600という数字を打ち込んだ。そこまでは理解した。続けて彼は、
 
    "If you work from Monday to Friday"
 
と言った後に、電卓で1400と打った。ようやく分かった。彼は、毎日のことならば、と減額を提案してくれていたのだ。そして、月初めに払ってくれれば毎回払う必要がない、ということまで言ってくれた。しかも、"responsibility" や "take care of" という単語も使っていた。きっとちゃんと責任を持って送迎してくれるということか。
 有難い申し出だ。交通費が高いことがネックであったのだ。しかも、毎朝急いでいるときにカカノがつかまらなかったと思うと朝からストレスだったので、すでに行き先も分かっていて、値段も固定ならばこちらも安心出来る。外国人の私に高い値段を要求するどころか、このカカノは毎日送迎する代わりに減額してくれると申し出てくれた。もちろん彼にとっても収入が安定するというメリットはあるが。
 今日は、1ヶ月分のお金を持ち合わせていないため、払えない旨を言うと、月曜日で良いと言ってくれた。良いオカカエカカノに出会えて、本当に有難い。
 現在、クラウドファンディングに挑戦中で、日々涙腺が緩みっぱなしの私は、またこのオカカエカカノのせいで涙腺が緩んでしまった。