新着情報といよいよドレスのお披露目と外国人と一緒に住むということ

読者の皆様

 
 10月25日(金)よりスタートいたしました、私とクラリスラウドファンディングは、多くの皆様のご支援のおかげさまで、11月6日(水)に目標金額であった43万円に達しました。心より感謝申し上げます。また、さらなるご支援のおかげさまで、現時点で、50万5千円にも達しております。本当に連日のご支援に、心より感謝申し上げます。
 皆様からのご支援をとてもありがたく思いながら、このようなお願いをすることも大変申し訳ありませんが、11月25日(月)までは募金を続けさせていただきます。最初の目標金額である43万円に達した今、11月25日(月)までにいただいたお金を全てこちらは受け取ることが出来、より多くの子どもたちを学校に行かせることが出来ます。私とクラリスの夢は「15人の子どもたちを学校に行かせること」ではなく、「1人でも多くの子どもたちを学校に行かせること」でございます。最初の目標金額に達してからも、多くの方にご支援いただきました。いただいたお金は、16人目以降の子どもたちの学費となります。あと一週間、どうぞ皆様、引き続き、ご支援、ご協力をお願い申し上げます。
 台風や大雨の被害にあわれた方もいる中で、このようなお願いをしてしまい、大変心苦しく思っております。また、学校関係にお勤めの方にとりましても、行事シーズンでお忙しいときと重なってしまい、大変申し訳ありません。
 最後に1つお知らせです。お世話になっております Readyfor が、Facebook で私たちのプロジェクトのことを投稿してくださいました。ぜひこちらもご覧ください。
 
 
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 11月17日(日)、朝からワクワクしていた。今日は、先週クラリスのお姉さんに作成を依頼したドレスを受け取りに行く日だからだ。昨晩から、
 
    "I'm really excited!"
 
を繰り返していた私に、クラリスは少し面白くなさそうな顔を向けていた。
 
    "You are excited to go back to Japan."
 
と言うのだ。このドレスを日本で着るので、私が早く日本に帰りたいと思っている、と。そうではなくて、単純に私は早くクラリスのお姉さんが作ってくれたドレスが着たいだけなのだが。クラリスは寂しがりやでもあるので、刻々と私の一時帰国の日が迫っており、さらに2ヶ月近く離れることになることに寂しさを感じているのだろう。
 
    "I'm sure that you will miss me and call me many times."
 
と私が言うと、そんなことない、と言い張っていたが。
 というやりとりを昨晩から繰り返して、今朝、私たちはいよいよクラリスのお姉さんのところへ向かおうとしている。ついでに、銀行に寄ることになっている。いつだったかの記事で記したが、私の VISA カードがなぜだか使えない事態になっていて、ここしばらくは知人の助けを借りてお金を受け取っていた。しかし、最近使えない理由が分かった(気がする)ので、今度こそ出来るのではないかと思い、試してみたかったのだ。
 ドレスを入れて帰るだろうから大きめの袋が必要だろう。準備万端で、クラリスの新車にまたがった。走り始めて、そういやクラリスの新車に乗るたびに私たちは何かしらの忘れ物をしているな、と思い出した。これもいつかの記事に書いたが、もう後戻りをするには遅すぎるというときに思い出すのである。
 そこでふと思い出した。今日私は、銀行に行くのではなかったか。すなわち、VISA カードが必要なのではなかったか。…まただ。また忘れ物をした。ドレスを入れる袋に完全に気を取られていた。クラリスに言うと、運転中にも関わらず後ろを振り向きながら豪快に笑っていた。もはや新車の呪いとしか言いようがない。
 クラリスはまた用事があると言うので、お姉さんのところに私を送り届けた後、別のところへ向かった。その間、私はいよいよドレスの試着をすることになっている。お姉さんに導かれてお宅に入った。そして、私が着替えるために、布で仕切りを作ってくれて、ついに完成品が手渡された。まずは、黒い布で作った、ジャケットとスカートだ。何とも素敵に仕上がっているではないか。ジャケットも堅苦しくなくて良いし、スカートも長さがピッタリだ。私は実のところ、この黒い布でもワンピースが良いと思っていたのだが、クラリスが黒い布なら絶対にスーツ風のセットアップが良いと言って押し切った。しかし、今見てみると、確かにセットアップにして良かった気がする。

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写真だと分かりづらいのだが、スカートがハイウエストになっていて、白いシャツを中に着るととても映えるのだという。
 お次は、赤いドレスである。お姉さんが少し焦らしながら取り出しているのを私は待ちきれなさそうに見ていた。そして、いよいよお披露目のとき。
 何と、袖や胸の部分にアレンジを加えてくれているではないか。これは思ったより華やかなドレスだ。しかも、布がいいからか、上品にも見える。嬉しくて、ピョンピョンと跳ねていると、お姉さんもとても嬉しそうに一緒に跳ねて喜んでくれた。元のデザインはちょっと挑戦的なものであったが、少し丈を長くしてもらったのと、肩が出過ぎないように調節してくれたおかげで、恥ずかしく思うことなく着られる。

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クラリスのお姉さんが、胸元が寂しいからと、金色のネックレスまで貸してくれた。

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こちらは家に帰ったあと、クラリスにもう一度着てみろと言われて撮った写真。
 基本的に、ベナンで服を作ってもらうと寸法を図っているはずなのに、小さめに作られる。クラリス曰く、ベナンの若者はピタッとした服を好むからだそうだ。緩やかな服を着るのは年配の人というイメージがあるらしい。他のテイラーさんに頼むと、大抵1回目は入らなくて直してもらう。しかし、クラリスのお姉さんはまさに寸法通りに作ってくれたようで、直しは全く必要なかった。私が着ているときに、お姉さんのご主人やクラリスの甥っ子や姪っ子も見に来て、ファッションショーのようにもなった。あとは髪型をアフリカンスタイルにして、結婚式に出席しよう。果たして花嫁さんより目立たないかが心配ではあるが。
 この土日、珍しくクラリスが仕事に出かけることもなく、夕ご飯も2人で食べた。クラウドファンディングのことを話し終えたとき、クラリスが不意に言った。
 
    "Sometimes I think about why we live together. How did we meet, why did we decide to live together, why did you choose me to live with you?"
 
この世に何億と人がいる中で、どうしてベナン人と日本人の、それも共に教育に情熱と関心がある2人がたまたま出会って、クラウドファンディングまで一緒にやろうと思ったのか、ということらしい。
 確かにそうだな、と思った。クラリスとは昨年12月に私が初めてベナンに渡ったときに会った。そのときの滞在はわずか1週間ほどだった。その7ヶ月後には再びベナンに渡って、クラリスと住み始めた。クラリスは、たった1週間しか会っていない私をルームメイトとして迎えてくれたのだ。しかも、そのときは私は別のお宅でホームステイをしたので、クラリスとは暮らしていなかった。つまりクラリスは、2度目に会う私といきなり一緒に住もうと思ってくれたということだ。私が日本に戻って再びベナンに渡る7ヶ月の間で、クラリスや他の友人たちも私の住む先のことを考えていてくれたらしいが、クラリスは自ら「マキと一緒に住んでも良い」ということを言ってくれていたらしい。元々外国人と一緒に住むことに興味があったのか、と聞くとそうではないらしい。また、外国人と住むことに慣れていたわけでもないらしい。ではなぜ、と改めて聞くと、
 
    "When you came last year, you were really nice to me. So I thought I could live with you."
 
だそうだ。私は特にクラリスに親切にした覚えもないし、一緒に住んでくれるほど私が特別だったとも思わない。クラリスの直感によるものなのだろうが、とてもありがたい。
 クラリスのキャラも、一緒に住んで良かったと思う所以であるが、何よりもクラリスもまた教育に並々ならぬ熱意と情熱があって、互いに賛同し合えるところがクラリスと一緒に住んで良かったと思う理由だ。その他のことではぶつかることも多いし、喧嘩はしょっちゅうするが、1つだけ同じ思いを持っている。全ての子どもたちに教育の機会を、という思いを。
 クラリスとの共通点は、はっきり言って多分この1点だけだ。まあ、あと共に青色が好きというくらいか。少々感情的になるクラリスと、感情は信用しない私はよくぶつかるし、食べ物の好みも違うし、第一、人種も言葉も違うんだからもはや共通点を探す方が難しい。よくもまあこれだけ違う人同士が一緒に住めるよなあ、と思う。この Blog で、外国人とルームシェアをすることに興味を持った人もいるかもしれないが、私が言えることはそんなに簡単なことではないということだ。私はたまたまクラリスという良き友に出会えたが、クラリスではなかったら、とうに逃げ出していたかもしれない。少なくとも、「合わなくて当たり前」ということは言える。そんな中で、教育への思いが同じだったことは奇跡とも言えるかもしれない。2人で今後の夢のことを話しているときが、一番楽しい。良き友、というか、良きパートナーが出来て、私はラッキーであった。
 果たして、クラリスの方はどう思っているのだろうか。
 
    "Am I a good partner for you?"
 
と聞くと、
 
    "Maybe!"
 
と言われた。