黒歴史と黄金時代とベナンビールの謎と「クラリス」
今日はまず、小学校からの友達 H と I に会う。H の家に I と行くのだ。3人とも小学生以来転勤や引っ越しをしたり、 高校や大学入学で一度は連絡が途絶えたりしたものの、 何だかんだで付き合いが続いた。H も I も、私の小学生時代を知っている。小学生時代とは、 人が最も隠したい人生の黒歴史である。当然この2人も、 私のあんなことやこんなことを知っている。
I と待ち合わせをして、H の家に向かったのだが、超方向音痴の私に負けず劣らず I もまた方向音痴である。H は結婚と出産後に新居に移ったため、 詳しく家までの道のりを示した地図を送ってくれたのだが、 しゃべりながら歩いていた私たちは地図を見ずにひたすら歩いてい た。ところが不思議なことに、地図をガン無視していたくせに、 何とたどり着いてしまった。
パーティーらしく、ピザとケーキを食べた。 ベナンにもピザやケーキはあるが、 日常的に食べられるものではない。久しぶりに食べた。 とても美味しくて、 ピザのどの具材が好きだとか、生地はどういうのが好きだとかという 話をしていた。「ピザ」と言うと1つ思い出したことがある。 大学生のときに付き合っていた人がピザ好きであったな、と。
彼が恋しくなったわけでも何でもないが、何となく、
『そいえば、 大学生のときの彼氏がピザ好きだったから、その影響で私もピザに詳 しくなったな~。』
と言ったところ、2人同時に、
『大学生のときの彼氏!?』
と叫び声で聞き返した。赤ちゃんにご飯を与えていた H は赤ちゃんそっちのけで問いただした。I に至っては頭が追い付かなかったのか、
『元カレと付き合ってたの!?』
と、日本語が変になっていた。なぜ、 2人がこんなに驚いていたかというと、 どうやらこれほど3人の付き合いが続いているのに、 私の大学生のときに付き合っていた人の話はしたことが無かったら しい。私の恋愛経験が無さすぎて、 久しぶりに自ら色恋沙汰の話になったので、 驚きを隠せなかったようだ。 私が話したかったのは元カレの話ではなく、 ピザの話だったのだが。
H と I は、私の黒歴史と共に、黄金時代も知っている。すなわち、 人生で一番モテていた小学生時代を、である。
『小学生のときはすごいモテてたのにね~。』
と遠くを見る目で言われた。なぬ、聞き捨てならぬ。
『いや、今だって、ある人たちからはすごくモテるもん。』
と、言い返すと、 ブログを読んでいる友人にはやはりお見通しであった。
『子どもに、でしょ。』
と、すぱーんと言い返された。そうなのだ。 私は子どもと50代以上の人からは圧倒的支持を得るのだが、 一番ターゲットとなる同世代からは見向きもされない。 ベナンに行ってもそこは相変わらずである。なぜだろう、 と話したところで無駄なので止めておいた。
I も結婚しており、旦那さんと共にビール好きである。だから、ベナン土産としてベナンビールを2本持ち帰ってあげた。ところが、不思議な現象が起こった。帰国して、スーツケースを開けると、2本のうち1本が明らかに量が減っていた。割れたのか、と思い確認したところ、何度見ても割れている形跡は無かった。気圧の変化が何かしら関係しているのか、ベナンのミステリーか、はたまた呪いか。しかし、一応ベナンビールだし、2人にと思って買ってきたので、I に了承を得た上でやはり2本あげることにした。
I の旦那さんはとても面白い人で、このベナンビールにさらに何か変化があるかもしれないということで、様子を見ようと言い出したそうだ。ちょうどクリスマスも近いので、とりあえずそこまで待って、クリスマスに夫婦で飲むことにしたらしい。
H の家を後にして、I とも別れた後、私は別の友人たちに会いに行った。
小笠原諸島に行くには、竹芝から出る船に乗るしかない。 現時点で飛行機の類いは無い。所要時間は24時間である。 私たちが旅したときは運良く24時間で着いたが、海況が悪ければ、 それ以上かかることもザラにある。同じ国内とはいえ、 しかも東京都とはいえ、 小笠原諸島に24時間かけて行ったという経験を持つと、 海外旅行の方が近く感じる。そしてそれ以来、色々な場面で『○○ に行くのに12時間かかるのか。小笠原までの半分くらいか。』 などと換算している。ちなみに、成田⇔ベナン も24時間である。つまり、竹芝⇔小笠原 = 成田⇔ベナン である。分かりやすい図式、と思ったが、 ベナンや小笠原に行ったことがある人間でないと、 イメージすら湧かない知識であった。そして、 その両方に行ったことがある私の方が珍しいだろう。
小笠原メンバーは、キャラが濃い。そりゃそうか。1人で24時間船旅をしようと考えている時点で、明らかに異色である。小笠原メンバーとは、ベナンに渡る前は、毎月のように会っていたのに、毎度顎が筋肉痛になるほどに笑い転げている。
私がベナンに出発するときも、成田まで見送りに来てくれた。そのうちの1人は、ベナン布で服やバッグも作ってくれた。そのうちの1人である男性 J とは、共に富士山登頂を成し遂げた。しかも、ベナンに渡る、前日のことであった。
なぜ、男性の J と、そしてなぜ前日に、という質問はごもっともである。なぜ J と2人だったかというと、かねてより日本を去る前に富士山に登っておきたいと思っており、それに同調してくれた小笠原メンバーで行こうとしていたのだが、1泊2日というスケジュール上、私と J しか都合がつかなかったのだ。そして、その1泊2日の日程ではベナン出発前日と前々日しか空いていなかったのだ。
いつかこのブログでも、ベナン出発前の番外編として、J との富士山登頂のことも記したいと思う。タイトルは、「B 型男女が1泊2日で富士山登頂にチャレンジ」でどうだろうか。
ただでさえ面白い小笠原メンバーだが、最後に、J の飼い犬の名前が「クラリス」である、という事実が判明したということで、今日のブログを締めくくる。