唐辛子の役割と世界に一つだけのスクールバッグと Tシャツ

 9月20日(日)、下痢が止まらない。ここ数日、毎日続いている。日中から夜までは全く問題無いのだが、明け方になると猛烈な腹痛で目が覚める。幸い、私のベッドの真横にトイレに続くドアがあるので、すぐに出すことが出来るし、一度出せばスッキリする。吐くほどではないし、食べているときは本当に美味しいと思って食べているので、結果として下痢になって出てきてはいるが、食事は楽しんでいる。たまに砂や虫が入っていることはあるが。

 ベナンでは、ほぼ全ての料理に唐辛子がついている。クラリスが作る料理にも、唐辛子はほぼ絶対に入っている。適量なら良いアクセントになるし美味しいのだが、現地人と同じ量では私には辛すぎる。ところが、それでも刺激が強すぎて、そのせいで下痢が起こっているのか、それとも別の理由なのかは分からない。
 しかし、唐辛子料理がベナンでよく食べられているのには、合理的な理由がある。唐辛子は、殺菌作用があるのだ。衛生面に不安があるベナンだからこそ、唐辛子を食べて殺菌をする習慣が出来たのだろう。
 ところで、今日は日曜日だが、クラリスは朝から忙しくしている。昼過ぎに戻ってきたときには、やたらでかい袋を担いでいた。それは、数日前に私がズルズルと引きずりながら持って帰った、プロジェクト用のスクールバッグだ。私が受け取った日に、クラリスは友人にそれを渡して、あるアレンジを加えてもらったのだ。それが出来上がったようだ。
 ワクワクして開けてみた。すると、まず袋の中にさらに袋が入っていた。中身は Tシャツだ。クラリスは、何の変哲も無い Tシャツも、スクールバッグと共にアレンジしてもらうよう依頼していた。
 どんなアレンジを加えてもらったかというと、スクールバッグと Tシャツに、私とクラリスの組織名(と言っても2人しかいないが)である、CHILDREN EDUC BENIN と、そのロゴを入れてもらったのだ。さらに Tシャツには、私たちが理念として掲げた言葉もプリントしてもらった。
 クラリスは、頭が良い。何も大きな組織に属していない私たちは、自分たちがやっていることをきちんと政府にアピールするために、色々な媒体を使っている。私は全くそんなことは考えていなかったのだが、クラリスはまずはベナン国内できちんと認知してもらえるように、子どもたちのスクールバッグや私たちが着る Tシャツに、その名を刻み込んだのだ。
 よくベナンで見かけるスクールバッグは、何かのアニメのキャラクターのものであったり、柄物である場合が多いのだが、クラリスはロゴを入れてもらうために、わざと何も柄がないバッグを選んだのだ。
 このスクールバッグを持って、学校への扉を開くことが出来る子どもたちが多くいると思うとワクワクする。そして、この Tシャツはクラリスからのプレゼントだ。友人に頼んで、破格の値段でやってもらったのだそうだ。外国人の私と住んでいることで、色々な人からお金を無心されているようだが、それでも現地人価格(いや、それ以下か)で押し切ったクラリスは本当に強い。いつも誰かと戦っている気がする。
 私がこのプロジェクトをとても誇りに思っているのは、こういうところだ。現地人のクラリスが主体となって、何から何までクラリスがしっかり指揮を取っている。もちろん、独りよがりのものではなく、私を単なる ATM 扱いするのではなく、私にとっても、それからたくさん支援金を寄せてくださった方々にとっても良い方法で。
 早く子どもたちにこのスクールバッグを届けたい。そして、多くの人の目に止まってほしい。CHILDREN EDUC BENIN という文字が、そして、Every Child has the right to receive an education という私たちの理念が。

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バッグ(水色バージョン)。

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バッグ(紺色バージョン)。

 

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T シャツ(紺色バージョン)。

 

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T シャツ(白バージョン、裏側)