24%の "アレ" と尋常じゃない眠気
9月7日、昨日おケツにぶっ刺された注射が効いたのか、
さて、私とクラリスは昨日と同じ病院にいる。 昨日クラリスが激しく抗議したところだが、 昨日のうちに和解している。(詳しくは 「"アレ" の正体とクラリスの抗議と注射」を見ていただければと思う。) 到着すると、またクラリスがテキパキと動いてくれた。 また待ち時間はほぼ無く、 すんなりと検査結果を受け取ることが出来た。 チラリと見ただけでは、全く見方が分からなかったので、 後でクラリスに訳してもらおうと思ったら、
"You've got malaria."
と言われた。え…こんな宣告の仕方あるか。 検査結果を受け取って、薬の手続きに向かっている最中、 歩きながら、何てことないようにクラリスはこのセリフを言った。 普通、大事な宣告をする際、医者と患者が向き合って、『 残念ですが…』とか言ってから本題に入るのではないか。 もちろん、マラリアは不治の病ではない。 だからこそこうして呑気にブログなんか書いているのである。 しかし、私にとっては未知の病だ。治るのは分かっていても、 そうやすやすと『あ、そうですか、マラリアでしたか。』 などと受け入れられるわけではない。それなのに、クラリスは、 あっさりと私に宣告した。
まあいい。ドキドキハラハラするより、 サラリと言われる方が確かに良いか。しかも、数値が24% であるという。私はてっきり、マラリアかマラリアでないか、 つまり、陽性か陰性かのみが分かるのかと思ったが、 どうやらマラリアはマラリアでも、 さらに数値を出して重症か軽症かを教えてくれるのだそうだ。 そして私は24%。何とも微妙な数字に見えるが、クラリス曰く、 入院や点滴の必要も無い、薬で治る軽症だそうだ。 従姉に話したら、『 まきちゃんの4分の1はマラリアで出来てますってことなのかな。 』と言われた。そう考えると恐ろしい数値である。まあ、 おそらく早めに病院に行ったことで数値も低かったのではないかと 思われる。
軽症と分かった今、そして熱も下がっているので、 クラリスは大いに私を連れ回した。 まずはクラリスのお姉さんのところへ久々に挨拶に行った。 子だくさん一家なので、またここでも大いに歓迎してもらえた。 そして、冷たいビサップジュース( ハイビスカスから作られるジュース) をちゃっかりご馳走になった。 これがとてつもなく美味しいのである。クラリスのお姉さんが私にビサップジュースを差し出すと、クラリスは、
"She has never given it to me!!"
と言った。これはまた申し訳ない。数え切れないほどここに来ている妹のクラリスより滞在1ヶ月の客人の私が頂くとは、何とも申し訳ないのだが、これはあまりにも美味しいので遠慮なく頂いた。ちなみにクラリスもちゃんともらっていた。ビサップジュースはエナジードリンクではあるが、 作るにしても買うにしてもまあまあ高いのだ。 これを私は贅沢にも4杯ほど頂いた。
"He is just shy. He loves you, but he cannot come to you."
聞けば、クラリスだけでここに来るとき、 彼はしきりに私のことを聞くらしい。 今度はマキも連れてこいとも言っていたらしい。何と嬉しいこと。 ここではいつも天皇陛下並みの扱いを受ける。 私のグラスが空になるとすかさずビサップジュースが注がれる。 久しぶりに外でゆっくりとした時を過ごした。
夕方頃、家に帰った。 またもやクラリスが私の大好物の料理を作ってくれた。なお、 これは今日知ったのだが、 てっきりアフリカ料理だと思っていたらどこかのヨーロッパ料理で あったらしい。食事が終わると、 クラリスがまたもやお母さんのように、 見張りながら私が薬を飲むのを見ている。
"You don't have to worry. I don't forget."
と言ったのだが、
"I'm sure you will forget tomorrow."
・アフリカで蚊に刺された
・風邪を引いた覚えがないのに熱が出た
・体温がガーッと上がっていく感じがした
・頭痛がした
以上4点が私がマラリアを疑った症状である。これらを見る限り、 ただの風邪や生理痛などと勘違いする人も多いのだと言う。実際、 日本ではアフリカ渡航歴を申告していなければ風邪と誤診されるこ とが多いそうだ。また、私はそれほどでも無かったが、 熱が出たり下がったりを繰り返すのもマラリアの特徴だ。
そして、ついでに処方された薬のことも述べておく。
この薬たち…
実は…
何と…
恐ろしいほどに眠くなるのである。これは本気で言っている。 特に昼に飲むと間違いなく睡魔が襲い、 そのまま夕方まで目が覚めない。 飲むことになったら車の運転は絶対にしない方がいい。 しかも、全力で寝ているのだ。 私は全く覚えていないのだが、 どうやらクラリスと昼寝をしているときに私は突然楽しそうに笑い 始め、蚊帳を押しのけ、 ベッドから手がはみ出たそうだ 。驚いたクラリスが手を私のベッドに戻してくれたそうだが、 ちっとも覚えていない。夢の内容も全く覚えていない。